![]() タンパク質および分散脂肪を含む組成物
专利摘要:
本発明は、タンパク質および脂肪を含む組成物の製法に係り、該方法は、取扱いが容易であり、同時に凝固および酸化に対する高い安定詩を持ち、高い栄養的価値を有する、脂肪-含有タンパク質系製品を得るための、簡単かつ経費のかからない方法を与える。より詳しくは、分散状態でタンパク質および脂肪を含む組成物を製造するための方法が提供され、該方法は、以下の各工程:(i) 7.0を越えるpH値を持つ懸濁液を製造する工程、ここで該懸濁液は水、タンパク質含有物質、脂肪、および場合によりアルカリを含み;(ii) 前記工程(i)からの懸濁液を、50〜150℃なる範囲の温度にてインキュベートする工程;(iii) 前記工程(ii)からの懸濁液を均質化して、分散液を生成する工程;および(iv) 必要により、前記工程(iii)からの分散液を後処理に付す工程を含み;また前記工程(i)におけるタンパク質含有物質が、植物-由来のタンパク質含有物質、および/または酵母-由来のタンパク質含有物質を含み;前記工程(i)における懸濁液が、その乾燥物質の少なくとも5質量%の脂肪を含むことを特徴とする。本発明は、また該方法によって得られた組成物および本発明の方法によって得ることのできる組成物、および更にこれら組成物の使用にも係る。 公开号:JP2011512124A 申请号:JP2010543492 申请日:2009-01-22 公开日:2011-04-21 发明作者:トーマス ネヴェ;カーエ;オレ ハンセン 申请人:ハムレット プロテイン アクティーゼルスカブ; IPC主号:A23L1-29
专利说明:
[0001] 本発明は、タンパク質および脂肪を含む組成物の製造方法に係る。本発明は、また該方法により得られた組成物および本発明の方法によって得ることのできる組成物、および更にこれら組成物の使用にも関連する。] 背景技術 [0002] 世界の人口の絶え間ない増大は、ヒトの食料および動物の飼料に適した成分に対する必要性を、一層際立たせている。炭水化物、タンパク質および脂肪が、あらゆる食品または飼料組成物における主成分であることは周知である。 油および脂肪の性質に依存して、これらを、製造中に取扱い、また該処方物に配合することは容易でない。更に、凝固および酸化のために、保存中の安定性に係る問題を引起す恐れがある。結果として、取扱いが容易であり、かつ同時に高い安定性を持つ、脂肪-含有成分に対する需要がある。分散状態にて油、脂肪およびタンパク質を含む、幾つかの従来の組成物は、この要求を満たすことができる。これら製品の主な欠点は、その製造に経費がかかり、また一般的に栄養的価値を増すことのない物質の、ある含有率を持つことにある。] [0003] このことは、製造にさほど経費を要さず、同時に栄養的に最適化され、更に良好な機能特性を持ち、また保存中に並びに最終的な処方物において高い安定性を持つ、新しい型の製品に対する要求を明らかにしている。 幾つかのタンパク質含有物質のフィルム-形成能およびその食用被覆としての利用は、当分野において公知である。該フィルムは、通常、溶液の流込み成形により、あるいは該溶液の表面から溶媒を蒸発させた際に生成される。これらに関しては、「食品性能を改善するための食用被覆およびフィルム(Edible Coatings and Films to Improve Food Quality)」,第9章, pp.201-223;テクノミック出版社(Technomic Publishing Co. Inc.), 1994を参照することができる。] [0004] WO 2004/009054は、封入剤を封入する方法を開示しており、該方法は、封入剤を含む油成分と、水性成分、およびエマルションを生成するためのフィルム-形成成分とを混合する工程;該エマルションを均質化処理に付して、油滴を含む水中油型エマルションを生成する工程、ここで該油滴は、該封入剤を含み、また約50μm未満の径を持ち、また該フィルム-形成成分は、該油滴の周りにフィルムを形成し、かつ該封入剤をカプセル化しており;および該フィルムで被覆された油滴上に保護被膜を適用して、ペレットを得、かつ該油成分の該ペレット表面への拡散を防止する工程を含む。該保護被膜は、水性コーンタンパク質溶液、変性ホエータンパク質溶液、フィルム-形成デンプン溶液、およびアルギネートからなる群から選択される少なくとも1種を含む。該フィルム-形成成分が、タンパク質である場合、該タンパク質は変性されていることが好ましい。WO 2004/009054は、該最終的な保護被膜なしに、油成分を封入する可能性について開示していない。] [0005] タンパク質含有物質の封入能力を高めるもう一つの方法は、該タンパク質中のアミノ酸基と還元糖との間でメイラード反応生成物を生成することである。WO 2001/074175は、タンパク質中に、酸素感受性油または酸素感受性物質を含有する油を封入する方法を開示しており、該油成分は還元糖の基を含む炭水化物との反応に付されている。タンパク質、好ましくはカゼインと、炭水化物、好ましくは糖との水性混合物を、60〜160℃なる範囲の温度に加熱して、該水性混合物中にメイラード反応生成物を生成する。次いで、50質量%までの油相を、該水性相で乳化して、マイクロカプセル化された粒子を生成する。該メイラード反応生成物の形成は、また乳化後、乾燥する前に行うこともできる。該エマルションは、場合によっては乾燥して粉末を生成した後に、食品成分として使用することができる。] [0006] 接触的架橋反応による、一般的に不溶性のタンパク質ポリマーの形成も、タンパク質含有物質の封入能力を高めることを可能とする。JP 2001-078718は、食品、飼料等にとって有用な活性成分の製法を開示しており、該方法では、架橋性タンパク質、トランスグルタミナーゼおよび該活性成分の微粒化を実施することにより、アルデヒドの架橋剤としての使用を回避している。該架橋性タンパク質は、ゼラチン、カゼイン、大豆タンパク質、コーンタンパク質およびコラーゲンからなる群から選択され、また該タンパク質は、微生物由来のトランスグルタミナーゼおよびビタミン、ヒト用食品添加剤または動物用飼料添加剤等の活性成分の水性溶液と完全に混合される。次いで、得られた該混合物の微粒化を、疎水性シリカ、コーンスターチまたは疎水性コーンスターチを添加した不活性ガス雰囲気中で実施して、活性成分の配合物を製造する。この微粒化の後に、該生成した配合物を、好ましくは、更に残留する水分の含有量が10質量%以下となるまで乾燥する。] [0007] 粉末化された脂肪組成物を製造する最も普通の方法は、水、該脂肪、タンパク質含有物質および乳化剤を含むエマルションを生成することによるものである。該粉末化された組成物は、該エマルションを適当な方法、例えば噴霧乾燥法により乾燥することにより得られる。GB 822614は、脂肪およびグリコールと飽和高級脂肪酸との部分エステルの乾燥されたエマルションを含有する、親水性固体中に封入された状態またはこのような固体および糖またはその他の炭水化物との混合物としての、自由流動性脂肪粉末を開示している。該親水性固体の例は、乾燥された脂肪を含まないミルク、ホエーおよびバターミルク、カゼインナトリウム、大豆タンパク質誘導体、ゼラチン、加水分解された魚タンパク質、エッグアルブミン、乾燥された全卵または卵黄、セルロースエーテル、ペクチン、アルギネート、アラビアガム、トラガカンスゴムである。更に、自由流動性脂肪粉末の製法が開示されている。該方法は、該脂肪を該部分エステル、および使用する場合にはレシチンと共に溶融し、該溶融した混合物を、該封入性固体の溶液またはこれら固体と糖またはその他の炭水化物との混合物中で乳化し、次いで噴霧乾燥を行う、各工程を含む。] [0008] GB 937564は、粉末化した脂肪組成物および水分散性で、水に対して安定な、粉末化された脂肪の製法を開示しており、該方法は、食用油を、親水性タンパク質および該タンパク質を水和させかつ分散させるのに十分であるが、過剰過ぎない量の水を含むフィルム-形成組成物と共に混合する工程、このようにして得たブレンドを攪拌して、該ブレンドを、該フィルム-形成組成物で構成される連続封入相、および該食用油で構成される内部被-封入相とからなる、物理的に結合した分散液に転化する工程、および該封入相を乾燥する工程を含む。好ましいタンパク質は、新鮮な卵白および復元卵白固体を含む。] 発明が解決しようとする課題 [0009] 本発明の目的の一つは、タンパク質と分散脂肪とを含有する組成物を製造するための、簡単かつ費用のかからない方法を提供することにある。本発明のもう一つの目的は、本発明の方法により製造した製品を提供することにあり、該製品は、取扱いが容易であり、また同時に保存中に凝固および酸化に対する高い安定性を持つ。 本発明の更に別の目的は、同時に高い栄養的価値をも持つ、上記製品を提供することである。] 課題を解決するための手段 [0010] 1またはそれ以上の上記目的は、本発明によって扱われる。 第一の局面において、本発明は、分散状態でタンパク質および脂肪を含む組成物の製法に係り、該方法は、以下の諸工程を含み: (i) 7.0を越えるpH値を持つ懸濁液を製造する工程、ここで該懸濁液は水、タンパク質含有物質、脂肪、および場合によりアルカリを含み; (ii) 前記工程(i)からの懸濁液を、50〜150℃なる範囲の温度にてインキュベートする工程; (iii) 前記工程(ii)からの懸濁液を均質化して、分散液を生成する工程;および (iv) 必要により、前記工程(iii)からの分散液を後処理に付す工程; また、前記工程(i)におけるタンパク質含有物質が、植物-由来のタンパク質含有物質、および/または酵母-由来のタンパク質含有物質を含み、かつ 前記工程(i)における懸濁液が、その乾燥物質の質量を基準として、少なくとも5質量%の脂肪を含む、ことを特徴とする。] [0011] 第二の局面において、本発明は、以下の諸工程を含み: (i) 7.0を越えるpH値を持つ懸濁液を製造する工程、ここで該懸濁液は水、タンパク質含有物質、脂肪、および場合によりアルカリを含み; (ii) 前記工程(i)からの懸濁液を、50〜150℃なる範囲の温度にてインキュベートする工程; (iii) 前記工程(ii)からの懸濁液を均質化して、分散液を生成する工程;および (iv) 必要により、前記工程(iii)からの分散液を後処理に付す工程; また、前記工程(i)におけるタンパク質含有物質が、植物-由来のタンパク質含有物質、および/または酵母-由来のタンパク質含有物質を含み、かつ 前記工程(i)における懸濁液が、その乾燥物を基準として、少なくとも5質量%の脂肪を含むことを特徴とする方法により得られるまたは得ることのできる生成物に関する。場合により、このような生成物は、その乾燥物質の質量基準で、約5〜70質量%なる範囲、あるいは10〜60質量%なる範囲の脂肪含有率、および該乾燥物質の質量基準で、約5〜80質量%なる範囲、あるいは15〜75質量%なる範囲のタンパク質含有率を持つことができる。] [0012] 第三の局面において、本発明は、本発明による生成物の1またはそれ以上の利用、例えばヒトまたは動物が消費するための加工食品または飼料製品としてのその使用、ミルク代用品としてのその使用、または化粧品または医薬品におけるその使用に係る。 第四の局面において、本発明は、様々な製品、例えばヒトまたは動物が消費するための加工食品または飼料製品、化粧品、または医薬品に係り、これらは、1〜99質量%なる範囲の、本発明による生成物を含む。 第五の局面において、本発明は、タンパク質組成物並びにこのようなタンパク質組成物の製法に係り、ここで該タンパク質組成物は、1〜99質量%なる範囲の本発明による生成物、または1〜99質量%なる範囲の本発明の方法により得られる生成物を含み、該タンパク質組成物は、99〜1質量%なる範囲の、醗酵された大豆タンパク質および/または酵母タンパク質等の他のタンパク質を含有するタンパク質製品を含み、該タンパク質組成物は、その乾燥物質の質量基準で25〜80質量%なる範囲のタンパク質含有率、および該乾燥物質の質量基準で30質量%またはそれ以下の脂肪含有率を持つ。] [0013] 定義 本発明の内容において、以下の用語は、以下の説明において特に述べない限り、以下の内容を含むことを意味する。 用語「約(about; around; approximately;または”〜”)」は、例えば当分野において通常遭遇する測定の不確かさを示すことを意味し、これは、例えば±1、2、5、10、20、あるいは更に50%程度でさえあり得る。 用語「含む(含有する)(comprising)」とは、述べられた部分、工程、特徴、組成、化学物質、または成分の存在を特定するものと解釈されるが、1またはそれ以上の追加の部分、工程、特徴、組成、化学物質、または成分の存在を排除するものではない。例えば、化合物を含む組成物は、従って追加の化合物等を含むことができる。 脂肪: これは、脂肪酸とグリセロールとのエステルを含む。グリセロール1分子は、1、2および3個の脂肪酸分子に対してエステル化することができ、結果としてそれぞれモノグリセライド、ジグリセライドまたはトリグリセライドを与える。通常、脂肪は、主成分としてのトリグリセライドと、少量のレシチン、ステロール等からなっている。該脂肪が室温にて液体である場合、これは通常油と呼ばれる。該脂肪が室温にて半固体状態にあり、また外国起源のものである場合、バター、例えばシアバターと呼ばれている。この点に関連して、油、脂肪および関連生成物(製品)については、「油、脂肪およびワックスの物理的並びに化学的諸特徴(Physical and Chemical Characteristics of Oils, Fats and Waxes)」, AOCS, 1996、並びに「脂質小事典2(Lipid Glossary 2)」, F.D. Gunstone, ザオイリープレス(The Oily Press)刊, 2004を参照のこと。] [0014] 非-極性溶媒: 溶媒は誘電率に従って分類されている。非-極性溶媒は1〜15なる範囲の誘電率を有し、例えばヘキサン、石油エーテル、ジエチルエーテル、高級アルコール等を包含する。非-極性溶媒は、脂肪等の非-極性化合物を、誘起された双極子相互作用を通して溶解する。 タンパク質含有物質: これは、直鎖状に配列され、かつペプチド結合と呼ばれる結合により一緒に結合されたアミノ酸で作られた有機化合物を含む。約50個までのアミノ酸に相当する鎖長において、該化合物はペプチドと呼ばれ、またより高い分子量において、該有機化合物はポリペプチドまたはタンパク質と呼ばれる。 酵素: 酵素は、触媒として機能する、一組みの極めて大きなタンパク物質を構成する。一般的に、これらは、6組に分割され、また本発明の範囲内に入る主な組は、官能基を転移するトランスフェラーゼおよび様々な結合を加水分解するヒドロラーゼであり得る。その典型的な例は、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、ガラクトシダーゼ、アミラーゼ、グルカナーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、フィターゼ、リパーゼ、およびホスホリパーゼを含むことができる。] [0015] キレート化剤: キレート化剤または金属イオン封鎖剤は、ある物質と水溶性の錯体を形成することのできる、天然または合成化合物である。該用語「金属イオン封鎖剤」とは、可溶性金属錯体を生成するキレート化剤を表すことを予定したものである。天然のキレート化剤は、例えばクエン酸等の有機酸を含み;EDTA、およびサリチル酸等は、合成キレート化剤の群を例示する。 塩: 塩は、カチオンおよびアニオンで構成されるイオン性化合物である。一般的な塩-生成カチオンは、ナトリウム、カリウムおよびカルシウムを含む。一般的な塩-形成アニオンは、有機または無機アニオンを含み、その例は、アセテート、カーボネート、ホスフェート、サルフェートおよびクロライドイオンを包含する。 本発明に関連して有用である適当な塩は、可食性のものであり、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、およびヨーロピアンユニオンにおける食品添加物に関するE番号コードを持つ塩(salts bearing E number codes for food additives in the European Union)の残りの全てを包含する。] [0016] 分散液(物): これは、少なくとも2種の不混和性物質の混合物を含む。少なくとも一つの物質が、該分散液の連続相中に分散している。エマルションは、このような2-相系の一例である。O/W型において、油は、その分散相であり、また水はその連続相である。 分散した状態にてタンパク質および脂肪を含む組成物は、該油および該タンパク質の一部が該分散相中にあり、また水が連続相であって、この連続相は、水溶性の低分子量タンパク質を含んでいる。 加工食品生成物: これは、乳製品、加工肉製品、スイーツ、デザート、アイスクリームデザート、缶詰製品、凍結乾燥肉、ドレッシング、スープ、インスタント食品、パン、ケーキ等を含む。 加工飼料製品: 子豚、子牛、家禽、毛皮を持つ動物、ヒツジ、ネコ、イヌ、魚類および甲殻動物等の動物用の、直ぐに使用できる飼料を含む。] [0017] 医薬品: これは、典型的には錠剤形状にある、または顆粒剤形状にある、疾患または状態の症状を治療しおよび/または軽減するための、1またはそれ以上の生物学的に活性な成分を含む製品を含む。医薬品は、更に製薬上許容される賦形剤および/または担体をも含む。ここに記載する生成物は、錠剤または顆粒剤における製薬上許容される成分として使用するのに、極めて適したものである。 化粧料製品(化粧品): これは、個人的な衛生、健康を意図して、並びに改善された外観を得る目的で使用される製品、例えばコンディショナーおよび浴用製剤を含む。] [0018] 第一の局面において、本発明は、分散状態でタンパク質および脂肪を含む組成物の製法に係り、該方法は、以下の諸工程を含み: (i) 7.0を越えるpH値を持つ懸濁液を製造する工程、ここで該懸濁液は水、タンパク質含有物質、脂肪、および場合によりアルカリを含み; (ii) 前記工程(i)からの懸濁液を、50〜150℃なる範囲の温度にてインキュベートする工程; (iii) 前記工程(ii)からの懸濁液を均質化して、分散液を生成する工程;および (iv) 必要により、前記工程(iii)からの分散液を後処理に付す工程; また、前記工程(i)におけるタンパク質含有物質は、植物-由来のタンパク質含有物質、および/または酵母-由来のタンパク質含有物質を含み、かつ 前記工程(i)における懸濁液は、その乾燥物の質量を基準として、少なくとも5質量%の脂肪を含むことを特徴とする。] [0019] 本発明の方法により得られる生成物の特別な特徴および/または性質は、該脂肪分が、部分的にのみ非-極性溶媒により抽出し得るものである点にある。従って、本発明の一態様によれば、タンパク質および脂肪を含む該組成物中の該脂肪は、部分的にのみ非-極性溶媒により抽出し得るものである。如何なる理論にも拘泥するつもりはないが、これは、該タンパク質含有物質および/または炭水化物と該タンパク質含有物質との混合物によって被覆されている脂肪の液滴にとって特徴的であり得るものと考えられる。この特徴は、該生成物の安定性および耐酸化性を高める。非-極性溶媒によって部分的に抽出し得るとは、該生成物の有する脂肪の質量に対する該脂肪分の100%未満、例えば95%未満、90%未満、80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、または10%未満が、抽出できることを意味する。本発明のこの局面に関するもう一つの態様においては、該脂肪の質量に対する、該生成物の有する該脂肪分の少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または90%以上が、非-極性溶媒により抽出できない。本発明の一態様によれば、該非-極性溶媒は、1〜15なる範囲の誘電率を持つ溶媒、例えばヘキサン、石油エーテル、ジエチルエーテル、および高級アルコールからなる群から選択される。] [0020] 前記工程(i)において与えられる該植物-由来のタンパク質含有物質は、破壊された物質/タンパク質、例えば1またはそれ以上の微粉砕またはフレーキング等によって破壊された物質/タンパク質であり得、また抽出または醗酵されたもの、例えば全脂肪大豆粉末、タンパク質単離体および醗酵され、溶媒抽出された大豆粉末等であり得、また更には酵母タンパク質を含むこともできる。本発明の一態様において、該タンパク質含有物質は酵母由来のものである。他の態様によれば、該工程(i)において与えられる該タンパク質含有物質は、酵母タンパク質のみを含み、あるいは主として、例えば70、80、90、95、99質量%あるいはそれ以上の酵母タンパク質を含む。別の態様において、該タンパク質含有物質は、1種またはそれ以上の植物由来の物質および1種またはそれ以上の酵母由来の物質の混合物を含む。本発明の更なる態様において、1種またはそれ以上の植物由来のタンパク質含有物質対酵母を起源とするタンパク質含有物質の比は、約1:99;5:95;10:90;20:80;30:70;40:60;50:50;60:40;70:30;80:20;90:10;95:5;99:1(質量/質量)であり得る。] [0021] 本発明の一態様によれば、該工程(i)において与えられる該タンパク質含有物質は、植物-由来のタンパク質および/または酵母タンパク質を含む。もう一つの態様によれば、該工程(i)において与えられる該タンパク質含有物質は、植物-由来のタンパク質含有物質、タンパク質含有植物由来のタンパク質抽出物またはタンパク単離体であるか、これらを含む。更に別の態様によれば、該工程(i)において与えられる該タンパク質含有物質は、全脂肪、破壊されたタンパク質含有植物、タンパク質含有植物由来のタンパク質抽出物またはタンパク単離体である。更なる他の態様によれば、該植物由来のタンパク質含有物質は醗酵されている。 該工程(i)において与えられる該植物由来のタンパク質含有物質は、例えば1種またはそれ以上の大豆、エンドウ豆、マメ科ウチワマメ属植物の豆、およびこれらの任意の混合物、例えば大豆とエンドウ豆との混合物、大豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物、エンドウ豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物、または大豆とエンドウ豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物を由来とするものであり得る。その他の適当な該植物由来のタンパク質含有物質は、場合により任意の上記豆類と組合せた、アブラナ科植物(Brassica family)の様々な菜種を由来とするものであり得る。従って、本発明の一態様によれば、該植物由来のタンパク質含有物質は、例えば大豆、エンドウ豆、マメ科ウチワマメ属植物の豆、大豆とエンドウ豆との混合物、大豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物、エンドウ豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物、または大豆とエンドウ豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物を由来とするものである。本発明の別の態様によれば、該植物由来のタンパク質含有物質は、アブラナ科植物(Brassica family)の様々な菜種を由来とするものである。] [0022] 本発明の更なる態様によれば、該工程(i)において与えられる該植物由来のタンパク質含有物質は、1種またはそれ以上の大豆、エンドウ豆、マメ科ウチワマメ属植物の豆、およびこれらの任意の混合物、例えば大豆とエンドウ豆との混合物、大豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物、エンドウ豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物、または大豆とエンドウ豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物を由来とするタンパク質含有物質とは別に、更にアブラナ科植物(Brassica family)の様々な菜種を由来とするタンパク質含有物質を含むことができる。本発明の更なる態様において、非-菜種/非-アブラナ科植物由来のタンパク質含有物質対菜種/アブラナ科植物由来のタンパク質含有物質の比は、約1:99;5:95;10:90;20:80;30:70;40:60;50:50;60:40;70:30;80:20;90:10;95:5;99:1(質量/質量)であり得る。 本発明によれば、少なくとも5質量%なる脂肪含有率を達成するために、脂肪を添加して、上記工程(i)における懸濁液を製造することが必要となり得る。従って、本発明の一態様によれば、該工程(i)で与えられる脂肪は、該タンパク質含有物質において固有のものでありおよび/または植物または動物脂肪および油、並びにこれらの任意の画分および任意の組合せから選択される。本発明の他の態様によれば、1種またはそれ以上の脂肪、油、脂肪画分、および/または油画分を添加して、上記工程(i)における懸濁液を製造するが、ここで該1種またはそれ以上の脂肪、油、脂肪画分、および/または油画分は、1種またはそれ以上の、例えばシア脂肪、サラノキ脂肪、大豆油、菜種油、ヒマワリ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、亜麻仁油、米糠油、パーム油、ココナッツ油、パーム核油、レシチン、動物脂肪、魚油、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択され、あるいはこれらから誘導される。] [0023] 例えば、上記工程(i)における水相は、通常の水道水であり得、場合により1種またはそれ以上の更なる化合物および/または添加物を含む。本発明の一態様において、該水相は、ミルク由来の物質および/または乾燥物質、例えばホエー、およびパーミエート(permeate)等を含むことができる。本発明の他の態様において、該水相は、酪農工業由来の乾燥または液状もしくは半固体状の物質を含む。本発明の更なる態様において、該酪農工業由来の該物質は、廃棄製品である。本発明の更に別の態様において、該ミルクを由来とする物質は、1種またはそれ以上のホエー、およびパーミエート、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される。 本発明によれば、1種またはそれ以上の添加物、例えば酵素、例えばプロテアーゼ、ペプチダーゼ等、および/またはキレート化剤、例えばクエン酸、EDTA等、および/または塩、例えば重亜硫酸ナトリウム等が該水相中に存在するか、あるいは場合によっては任意の工程において、これらを該水相に添加することができる。本発明の一態様において、1種またはそれ以上の酵素、1種またはそれ以上のキレート化剤および/または1種またはそれ以上の塩が、該水相に添加される。本発明によれば適当な酵素は、例えば1種またはそれ以上のプロテアーゼ、ペプチダーゼ、ガラクトシダーゼ、アミラーゼ、グルコナーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、フィターゼ、リパーゼ、およびホスホリパーゼおよびこれらの任意の組合せを含む。従って、該酵素は、例えば1種またはそれ以上の、例えばプロテアーゼ、ペプチダーゼ、ガラクトシダーゼ、アミラーゼ、グルコナーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、フィターゼ、リパーゼ、およびホスホリパーゼおよびこれらの任意の組合せからなる群から選択される。本発明の他の態様によれば、1種またはそれ以上の酵素、および/またはキレート化剤、および/または塩が、該水相、例えば上記工程(i)において与えられる水相に添加される。] [0024] 本発明の他の態様によれば、1種またはそれ以上のキレート化剤が、該水相、例えば上記工程(i)において与えられる水相に添加される。適当なキレート化剤は、例えば1種またはそれ以上の有機酸、クエン酸、EDTA、およびサリチル酸並びにこれらの組合せからなる群から選択される、1種またはそれ以上のキレート化剤であり得る。本発明の他の態様においては、天然または合成キレート化剤が添加される。適当なキレート化剤は、従って例えば1種またはそれ以上の有機酸、クエン酸、EDTA、およびサリチル酸並びにこれらの組合せを含む。 あらゆる上記酵素および/またはキレート化剤とは別に、該水相、例えば上記工程(i)において与えられる水相は、1種またはそれ以上の塩を含むことができる。本発明の一態様によれば、このような1種またはそれ以上の塩は、例えば1種またはそれ以上のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、酢酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、およびヨーロピアンユニオンにおける食品添加物に関するE番号コードを持つ塩、並びにこれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。本発明の更なる態様においては、適当な塩が添加される。本発明の更に他の態様において、2種以上の塩、および/または2種、3種、4種またはそれ以上の塩の混合物は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、酢酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物、炭酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、およびE番号コードを持つ塩、並びにこれらの任意の組合せから選択される。本発明によれば、ヨーロピアンユニオンにおける食品添加物に関するE番号コードを持つ塩が適している。] [0025] 本発明の更なる態様によれば、該懸濁液/水相、例えば上記工程(i)において与えられる水相には、如何なる添加物も添加されない。更に別の態様によれば、該懸濁液/水相、例えば上記工程(i)において与えられる水相には、如何なる酵素も添加されない。更に別の態様によれば、該懸濁液/水相、例えば上記工程(i)において与えられる水相には、如何なるキレート化剤も添加されない。更に別の態様によれば、該懸濁液/水相、例えば上記工程(i)において与えられる水相には、如何なる塩も添加されない。 上記工程(i)の懸濁液は、植物または酵母由来のタンパク質含有物質またはこれら両者の混合物と、水相とを攪拌しかつ混合することにより製造できる。一般的に、アルカリ、例えば水酸化ナトリウム等を含むアルカリ液を添加して、アルカリ性pH、即ち7.0よりも高いpH、例えば7.1-11、7.1-10.0、7.1-9.0、または7.1-8.0なる範囲のpHとすることができる。あるいはまた、約(即ち、±0.1、±0.25、または±0.5なるpH)7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0または11.5以上のpHを得る。該懸濁液の製造、また所定のpHの達成は、当分野において公知の標準的な方法を利用して行われる。] [0026] 上記工程(ii)においては、上記工程(i)の懸濁液を、一定の温度および規定された期間に渡りインキュベートする。如何なる理論にも拘泥するつもりはないが、本発明の一態様によれば、該期間は、例えばメイラード反応生成物を生成することなしに、生物学的に活性な物質を不活化するのに十分な期間であり、ここで該メイラード反応生成物は、得られる最終製品の栄養特性、官能特性またはその他の特性に負の影響を及ぼす恐れがあるものと考えられる。従って、本発明によれば、上記工程(ii)において該懸濁液を、メイラード反応生成物を生成することなしに、生物学的に活性な物質を不活化するのに十分な温度および期間インキュベートする。本発明の更なる態様によれば、該期間は、1分間〜24時間(h)なる範囲にある。他の態様によれば、該期間は、例えば約(~)5分間、約10分間、約15分間、約20分間、約25分間、約30分間、約35分間、約40分間、約45分間、約50分間、約60分間、約1.5時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間である。更に別の態様によれば、該期間は、長くて2時間、および一般的には2時間以下である。一般的なインキュベーション期間は、また1-2分間、2-5分間、5-10分間、10-20分間、20-30分間、30-45分間、45-60分間、60-90分間、または例えば90-120分間なる範囲内であってもよい。本発明の他の態様においては、該インキュベーション期間は、2時間以上、例えば2-3時間、3-6時間、6-9時間、9-12時間、一夜、12-18時間、または18-24時間あるいは更には24時間以上である。] [0027] 前記工程(ii)における適当な温度範囲は、例えば50-150℃、60-140℃、70-130℃、80-120℃、90-110℃なる範囲または約100℃であり得る。該温度は、また50-60℃、60-70℃、70-80℃、80-90℃、90-100℃、100-110℃、110-120℃、120-130℃、130-140℃、140-150℃なる範囲であり得る。本発明の一態様において、該温度は、一定または本質的に一定、即ち±0.5、±1.0、±2.0または±5.0℃である。更なる態様において、該温度は一定ではない。本発明の他の態様において、該懸濁液は、60-140℃なる範囲の温度にて、120分未満の期間に渡りインキュベートされる。 該インキュベートされた懸濁液は、分散液を得るために(工程(iii))、均質化処理に付すことができる。これは、当分野において公知の標準的な均質化装置での操作、例えば高圧ピストン式均質化、超音波混合および高剪断回転子-固定子混合等によって行うことができる。] [0028] 脂肪または脂肪-含有物質を、場合により、例えば上記工程(iii)における均質化前に該懸濁液に添加して、乾燥物質質量の少なくとも5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%または70%以上の脂肪含有率を達成しおよび/または維持することができる。あるいはまた、該乾燥物質の質量基準で、5-10質量%、10-20質量%、20-50質量%、20-30%質量、30-40%質量、40-50質量%、50-60質量%、60-70質量%、または30-40質量%なる範囲の脂肪含有率を得ることもできる。本発明の一態様によれば、脂肪または脂肪-含有物質を、上記工程(i)の懸濁液に添加して、該乾燥物質の質量基準で5-70質量%、または10-60質量%なる範囲の脂肪含有率を得る。適当な脂肪は、1種またはそれ以上の例えばシア脂肪、サラノキ脂肪、大豆油、菜種油、ヒマワリ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、亜麻仁油、米糠油、パーム油、ココナッツ油、パーム核油、動物脂肪、魚油、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、あるいはこれらから誘導される、1種またはそれ以上の脂肪、油、脂肪画分、および/または油画分を含む。] [0029] 上記成分の何れかとは別に、1種またはそれ以上の食用成分、例えば乳化剤、酸化防止剤、香味料、着色料等を、場合により、任意の時点において添加することができる。従って、本発明によれば、食用成分は、1またはそれ以上の任意の上記工程(i)、(ii)、(iii)、(iv)において、即ち該工程の実施中に、あるいはその後に添加することができる。本発明の一態様において、食用成分は、上記最終的な均質化処理前に添加される。本発明のもう一つの態様によれば、1またはそれ以上の食用成分は、上記工程(ii)、上記工程(iii)および/または上記工程(iv)における該懸濁液に添加される。適当な食用成分は、1種またはそれ以上の乳化剤、酸化防止剤、香味料、着色料、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。 本発明によれば、上記工程(iii)において得られる生成物は、例えば1またはそれ以上の後処理段階(工程(iv))に付すことができる。このような後処理工程は、例えばpH調節工程、および/または含水率低下工程を含むことができる。本発明の一態様において、前記分散液のpHは、食品等級の品位の酸の添加によって、3.0-7.0なる範囲、3.5-5.5なる範囲、4.0-5.0なる範囲または約4.5(即ち、4.5±0.25または±0.5)に調節することができる。あるいはまた、該生成物のpHは、3.0以下、または3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0または7.0以上に調節することができる。該pHは、また約(即ち、±0.25または±0.5) 3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、または7.0に調節することができる。本発明の一態様によれば、該分散液のpHは、上記工程(iv)において、3.5-5.5なる範囲に調節される。] [0030] 本発明によれば、pHの調節とは別に、上記工程(iii)で与えられる該分散液は、1またはそれ以上の後処理段階に付すことができ、該後処理段階は、含水率低下処理、例えば含水率を10質量%以下、7.5質量%、または5質量%、あるいは5質量%以下の含有率まで下げる処理からなることができる。もう一つの態様においては、噴霧乾燥を利用して、該含水率を下げる。更なる態様においては、該含水率を、低い酸素含有率を有する雰囲気内で低下させる。該酸素含有率の、周囲大気の値よりも低い含有率への低下は、当分野において公知の様々な方法、例えば不活性ガスによるガスシール、過熱蒸気の適用等により達成することができる。本発明の一態様によれば、該分散液の含水率は、上記工程(iv)において低下させる。更なる態様によれば、該分散液の含水率は、10質量%以下なる含有率まで低下させる。該含水率は、例えば噴霧乾燥によって下げることができる。望ましい場合は、該含水率を、周囲大気の値よりも低い酸素含有率を持つ雰囲気内で下げる。 本発明の方法は、例えばバッチ法、流加-バッチ(fed-batch)法として、および半-連続法または連続法として実施することができる。本発明の個々の工程も、またバッチ法、流加-バッチ法として、および半-連続法または連続法として実施することができる。本発明の一態様によれば、1またはそれ以上の工程または全ての工程を、バッチ法として実施する。本発明のもう一つの態様によれば、1またはそれ以上の工程または全ての工程を、連続法として実施する。これらの工程を実施し、また制御するための技術的な手段は、当分野において公知である。] [0031] 第二の局面において、本発明は、また上記の如き本発明の方法によって得られる生成物にも関連する。 第三の局面において、本発明は、また上記の如き本発明の方法によって得ることのできる生成物にも関連する。 一般的に、本発明の方法により得られるまたは得ることのできるこのような生成物は、その乾燥物質の質量基準で、5-70質量%なる範囲の脂肪含有率を持つことができる。該生成物は、また少なくとも5質量%、10質量%、20質量%、25質量%、30質量%、40質量%、50質量%、60質量%、70質量%または70質量%以上の脂肪含有率を持つ。該生成物は、またその乾燥物質の質量基準で、約(即ち、±0.1、±0.5、±1.0) 5質量%、10質量%、20質量%、25質量%、30質量%、40質量%、50質量%、60質量%、70質量%または70質量%以上の脂肪含有率を持つことができる。あるいはまた、該生成物は、またその乾燥物質の質量基準で、5-70質量%なる範囲、10-60質量%なる範囲、20-50質量%なる範囲、または30-40質量%なる範囲の脂肪含有率を持つ。一態様によれば、本発明の方法により得られるまたは得ることのできる生成物は、その乾燥物質の質量基準で5-70質量%なる範囲、あるいは該乾燥物質の質量基準で10-60質量%なる範囲の脂肪含有率、および該乾燥物質の質量基準で5-80質量%なる範囲、あるいは該乾燥物質の質量基準で15-75質量%なる範囲のタンパク質含有率を持つことができる。本発明の他の態様によれば、該脂肪分は、非-極性溶媒により部分的にのみ抽出可能なものである。他の態様によれば、本発明の方法により得られる生成物は、その乾燥物質の質量基準で5-70質量%なる範囲、または10-60質量%なる範囲の脂肪含有率、および該乾燥物質の質量基準で5-80質量%なる範囲、または15-75質量%なる範囲のタンパク質含有率を持つ。] [0032] 通常、本発明による該生成物は、その乾燥物質の質量基準で5-80質量%なる範囲のタンパク質含有率を持つ。該生成物は、また該乾燥物質の質量基準で少なくとも5質量%、10質量%、20質量%、25質量%、30質量%、40質量%、50質量%、60質量%、80質量%、または80質量%以上のタンパク質を含むことができる。該生成物は、また該乾燥物質の質量基準で約(即ち、±0.1、±0.5、±1.0、±2.5、または±5%) 5質量%、10質量%、20質量%、25質量%、30質量%、40質量%、50質量%、60質量%、80質量%、または80質量%以上のタンパク質を含むことができる。あるいはまた、該生成物は、該乾燥物質の質量基準で5-80質量%なる範囲、10-75質量%なる範囲、15-75質量%なる範囲、10-70質量%なる範囲、20-60質量%なる範囲、30-50質量%なる範囲の、または約40質量%なるタンパク質含有率を持つ。 本発明は、更に本発明の任意の方法によって得られる生成物にも係り、ここで該生成物の含水率は、10質量%、または10質量%を越える。一般に、このような生成物は、例えば液体またはペーストである。あるいはまた、該含水率が、一般に10質量%以下、例えば10質量%または10質量%未満である場合、該生成物は、通常固体状態、例えば粉末または顆粒状態にある。本発明の一態様によれば、所定の生成物が提供され、そこで該生成物は、液体またはペースト状態にあり、ここでその含水率は10質量%を越えるものである。他の態様によれば、所定の生成物が提供され、そこで該生成物は、固体状態にありおよび/またはその含水率は10質量%以下である。本発明の更なる態様によれば、所定の生成物が提供され、そこで該生成物の脂肪または脂肪含有率は、部分的にのみ非-極性溶媒により抽出可能な値に相当する。] [0033] 更なる態様によれば、本発明の方法によって得ることのできる生成物が提供される。このような生成物は、その乾燥物質の質量基準で5-70質量%なる範囲、あるいは10-60質量%なる範囲の脂肪含有率、および該乾燥物質の質量基準で5-80質量%なる範囲、あるいは15-75質量%なる範囲のタンパク質含有率を持ち、またその脂肪含有率は、部分的にのみ非-極性溶媒により抽出可能な値に相当する。場合により、このような生成物の脂肪の質量に対して、少なくとも25質量%、あるいは50質量%の脂肪は、非-極性溶媒により抽出不可能なものであり得る。 本発明は、更に、ヒトまたは動物が消費するための加工食品または飼料製品、および特に同様な生成物に直接混合した脂肪を含むものと比較して、該脂肪の酸化に対する安定性が改善された製品を製造するための、本発明の生成物の使用をも含む。この保存寿命における改善は、通常、促進試験における寿命の延長を測定することによって予測される。脂質の酸化安定性に関しては、「脂質の酸化(Lipid Oxidation)」, E. N. Frankel,ジオイリープレス(The Oily Press)社刊, Vol. 10, 1998を参照のこと。本発明は、またミルク代用品を製造するための、本発明の生成物の使用をも提供する。本発明は、更に化粧品または医薬品を製造するための、本発明の生成物の使用をも含む。] [0034] 従って、本発明の一態様は、ヒトまたは動物が消費するための加工食品または飼料製品を製造するための、本発明の生成物、または本発明の方法によって与えられる、あるいは該方法により得ることのできる生成物の使用にも関連する。 本発明の他の態様は、加工食品または飼料製品を製造するための、本発明の生成物、または本発明の方法によって与えられる、あるいは該方法により得ることのできる生成物の使用にも関連する。場合により、該生成物は、そこに含まれる脂肪の改善された酸化安定性を持つ。 本発明の更なる態様は、ミルク代用品を製造するための、本発明の生成物、または本発明の方法によって与えられる、あるいは該方法により得ることのできる生成物の使用にも関連する。 本発明の更に別の態様は、化粧品を製造するための、本発明の生成物、または本発明の方法によって与えられる、あるいは該方法により得ることのできる生成物の使用にも関連する。 本発明の更に他の態様は、医薬品を製造するための、本発明の生成物、または本発明の方法によって与えられる、あるいは該方法により得ることのできる生成物の使用にも関連する。] [0035] 第四の局面において、本発明は、1〜99質量%なる範囲の本発明の生成物を含む、ヒトまたは動物が消費するための加工食品または飼料製品をも提供することができる。本発明のもう一つの態様においては、1〜99質量%なる範囲の本発明の生成物を含む、化粧品または医薬品が提供される。あるいはまた、ヒトまたは動物が消費するための上記加工食品または飼料製品、あるいは該化粧品または医薬品は、1%、2%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%を越える、本発明の生成物を含む。本発明のもう一つの態様においては、ヒトまたは動物が消費するための上記加工食品または飼料製品、あるいは該化粧品または医薬品は、約(即ち、±0.1、±0.5、±1.0、±2.5または±5%) 5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%の本発明の生成物を含む。 本発明の一態様によれば、ヒトまたは動物が消費するための加工食品または飼料製品は、1〜99質量%なる範囲の本発明の生成物を含むか、あるいは1〜99質量%なる範囲の本発明の方法により与えられる生成物を含む。本発明のもう一つの態様によれば、化粧品または医薬品は、1〜99質量%なる範囲の本発明の生成物を含むか、あるいは1〜99質量%なる範囲の本発明の方法により与えられる生成物を含む。] [0036] 第五の局面において、本発明は、タンパク質組成物並びにこのようなタンパク質組成物の製法にも係り、ここで該タンパク質組成物は、1〜99質量%なる範囲の本発明による生成物、または1〜99質量%なる範囲の、本発明の方法により与えられる生成物を含み、該タンパク質組成物は、99〜1質量%なる範囲の、醗酵された大豆タンパク質および/または酵母タンパク質等の他のタンパク質を含有するタンパク質製品を含み、該タンパク質組成物は、例えばその乾燥物質の質量基準で25〜80質量%なる範囲のタンパク質含有率、および該乾燥物質の質量基準で30質量%またはそれ以下の脂肪含有率を持つ。 一態様によれば、タンパク質組成物が提供され、これは、1〜99質量%なる範囲の本発明による生成物、または1〜99質量%なる範囲の、本発明の方法による生成物を含み、ここで該タンパク質組成物は、99〜1質量%なる範囲の、醗酵された大豆タンパク質および/または酵母タンパク質を含有するタンパク質製品を含み、該タンパク質組成物は、その乾燥物質の質量基準で25〜80質量%なる範囲のタンパク質含有率、および該乾燥物質の質量基準で30質量%またはそれ以下の脂肪含有率を持つ。醗酵された大豆タンパク質および/または酵母タンパク質を含有する該タンパク質製品は、例えば本発明の第一の局面における、例えばその工程(i)において与えるのに適したタンパク質含有物質であり得る。] [0037] もう一つの態様は、タンパク質組成物の製法に係り、該方法は、以下の工程:(i) 本発明の方法によって得られる生成物を調製する工程;(ii)醗酵された大豆および/または酵母タンパク質を含有するタンパク質製品を調製する工程;および(iii) 1〜99質量%なる範囲の前記工程(i)の生成物と、99〜1質量%なる範囲の前記工程(ii)のタンパク質生成物とを併合する工程を含む。本発明の更なる態様によれば、前記工程(iii)において製造される生成物は、その乾燥物質の質量基準で25〜80質量%なる範囲のタンパク質含有率、および該乾燥物質の質量基準で30質量%またはそれ以下の脂肪含有率を持つ。本発明の一態様によれば、上記工程(i)、(ii)および(iii)を含む該方法により製造される生成物は、1またはそれ以上の望ましい特徴を持つ。] [0038] テスト結果から、例えば本発明の第五の局面によるタンパク質組成物等であって、約30質量%以下の脂肪含有率を持つ製品は、1またはそれ以上の有利な特徴を持ち、例えば該特徴は、改善された貯蔵特性;改善された輸送性;例えば、取扱い、保存、および/または輸送中における凝固の顕著な減少;取扱い、保存、および/または輸送中において凝固しないこと等の1またはそれ以上の有利な特徴を持つ。従って、該脂肪含有率を約30質量%またはそれ以下、例えば約25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%に、あるいは約5-10質量%なる範囲、10〜15質量%なる範囲、15〜20質量%なる範囲、20〜30質量%なる範囲に下げるためには、該生成物を、例えば該希釈すべきタンパク質組成物よりも低い含有率で脂肪を含むタンパク質含有物質で希釈することが望ましいことであり得る。このようなタンパク質含有物質は、例えば上記本発明の第一の局面において記載した、例えば上記工程(i)で与えられるタンパク質含有物質の何れかと、例えば同一、実質的に同一または類似するものであり得、該タンパク質含有物質は、例えば1またはそれ以上の植物-由来のタンパク質;酵母タンパク質;植物-由来のタンパク質含有物質;タンパク質含有植物、全脂肪、破壊されたタンパク質含有植物由来のタンパク質抽出物またはタンパク質単離体;醗酵された植物-由来のタンパク質含有物質;例えば、1種またはそれ以上の大豆、エンドウ豆、マメ科ウチワマメ属植物の豆、およびこれらの任意の混合物、例えば大豆とエンドウ豆との混合物、大豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物、エンドウ豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物、または大豆とエンドウ豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物を由来とする植物-由来のタンパク質含有物質;アブラナ科植物の様々な菜種を由来とする、場合により上記豆類の何れかとの組合せとしての、植物-由来のタンパク質含有物質;1種またはそれ以上の大豆、エンドウ豆、マメ科ウチワマメ属植物の豆、およびこれらの任意の混合物、例えば大豆とエンドウ豆との混合物、大豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物、エンドウ豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物、または大豆とエンドウ豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物を由来とする植物-由来のタンパク質含有物質とは別の、アブラナ科植物の様々な菜種を由来とするタンパク質含有物質を含む、植物-由来のタンパク質含有物質;約1:99;5:95;10:90;20:80;30:70;40:60;50:50;60:40;70:30;80:20;90:10;95:5;99:1(質量/質量)なる範囲の、比:非-菜種/非-アブラナ科植物のタンパク質含有物質:菜種/アブラナ科植物のタンパク質含有物質にてこれらを含有するタンパク質含有物質を含む。] [0039] 本発明の第六の局面によれば、分散状態でタンパク質および脂肪を含む組成物の関連する製法が提供され、該方法は以下の諸工程を含む:(a) 植物または酵母由来のタンパク質含有物質またはこれら両者の混合物と、7.0を越えるpH値を持つ懸濁液を製造するのに十分な量でアルカリを含む水相とを混合することにより、懸濁液を製造する工程;(b) 前記工程(a)からの懸濁液を、50〜150℃なる範囲の温度にてインキュベートする工程;(c) 該懸濁液がその乾燥物質の質量基準で5質量%未満の脂肪を含む場合、該インキュベートされた懸濁液に、該乾燥物質の質量基準で少なくとも5質量%の脂肪を含む懸濁液を得るのに十分な量で、脂肪または脂肪-含有物質を添加する工程;(d) 前記工程(b)または(c)からの懸濁液を均質化して、分散液を生成する工程;および(e) 必要により、前記工程(d)からの分散液を後処理に付す工程。] [0040] 該植物由来のタンパク質含有物質は、抽出または醗酵されたものであり得、また更に酵母タンパク質を含むことができる。該植物由来のタンパク質含有物質は、大豆、エンドウ豆、マメ科ウチワマメ属植物の豆、大豆とエンドウ豆との混合物、大豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物、エンドウ豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物、または大豆とエンドウ豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物を由来とするものであり得る。他の適当な植物-由来のタンパク質含有物質は、アブラナ科植物の様々な菜種を由来とし、場合により上記豆類の何れかと組合せたものである。上記水相は、ミルク由来の乾燥物質、例えばホエー、パーミエート等を含むことができる。更に、該水相は、添加された酵素、例えばプロテアーゼ、ペプチダーゼ等、および/またはキレート化剤、例えばクエン酸、EDTA等、および/または塩、例えばナトリウム重亜硫酸等を含むことができる。前記工程(b)における懸濁液は、メイラード反応生成物を形成することなしに、生物学的に活性な物質を不活化するのに十分な温度および時間インキュベートされる。適当なインキュベーション温度は、最大120分間の期間に対して、60-140℃なる範囲内にある。該最終的な均質化前に、上記工程(c)における懸濁液に対して、場合により脂肪または脂肪含有物質を添加して、その乾燥物質の質量基準で5-70質量%なる範囲、または該乾燥物質の質量基準で10-60質量%なる範囲の脂肪含有率を得る。更に、場合により、1種またはそれ以上の食用成分、例えば乳化剤、酸化防止剤、香味料、着色料等を、該最終的な均質化前に、該懸濁液に添加することができる。上記工程(e)における後処理として、該分散液のpHを3.5-5.5なる範囲の値に調節することができる。もう一つの後処理工程において、該含水率を、例えば10質量%以下の値にまで下げることができる。更なる態様において、該含水率は、噴霧乾燥法により減じられる。更に別の態様においては、該含水率を、周囲大気の値よりも低い酸素含有率を持つ雰囲気内で減じる。この方法は、バッチ法または連続法として行われる。一態様において、本発明の方法により得られる生成物は、液体またはペーストであり、ここでその含水率は、10質量%を越えるものであり、また別の態様において、該生成物は固体状態、例えば粉末または顆粒状態にあり、その含水率は、10質量%以下である。本発明により得た特定の生成物において、その脂肪分の、相対質量で少なくとも25質量%、または相対質量で、該脂肪の少なくとも50質量%が、非-極性溶媒により抽出不可能なものである。] [0041] 本発明の第七の局面によれば、醗酵されている植物由来のタンパク質含有物質からある生成物を得るが、これは以下に述べる特徴(その任意の組合せおよび/または順列)の1またはそれ以上を持つことを特徴とする。ここで該特徴は以下に列挙するものを含む:(1) 該生成物の乾燥物質の質量に対して5-70質量%なる範囲の脂肪含有率、および該乾燥物質の質量に対して25-80質量%なる範囲のタンパク含有率を持つこと;(2) 該タンパク質含有物質が、植物由来のタンパク質および/または酵母タンパク質を含むこと;(3) 該植物由来のタンパク質含有物質が、大豆、エンドウ豆、マメ科ウチワマメ属植物の豆、大豆とエンドウ豆との混合物、大豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物、または大豆とエンドウ豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物を由来とするものであること;(4)含水率が10質量%以下であること;(5) その脂肪分が、非-極性溶媒により部分的にのみ抽出し得るに過ぎないこと;(6) 該生成物が、醗酵された大豆および酵母を含む植物由来のタンパク質含有物質から得られ、かつその乾燥物質の質量基準で最大30質量%なる脂肪含有率、および該乾燥物質の質量基準で25-80質量%なる範囲のタンパク質含有率を持ち;場合により該脂肪分が、非-極性溶媒により部分的にのみ抽出し得るに過ぎないこと。] [0042] 醗酵されており、かつ任意の1またはそれ以上の該特徴(1)〜(6)を含む、植物由来のタンパク質含有物質から得たこのような生成物は、1またはそれ以上の以下に列挙する製品を製造するために使用することができる:ヒトまたは動物が消費するための加工食品または飼料製品;ミルク代用品;化粧品;医薬品。従って、本発明の一態様においては、ヒトまたは動物が消費するための加工食品または飼料製品が提供され、これは、醗酵されており、場合により1またはそれ以上の上記特徴(1)〜(6)を含む、植物由来のタンパク質含有物質から得た生成物を、1〜99質量%なる範囲の量で含む。本発明のもう一つの態様においては、化粧品または医薬品が提供され、これは、醗酵されており、場合により1またはそれ以上の上記特徴(1)〜(6)を含む、植物由来のタンパク質含有物質から得た生成物を、1〜99質量%なる範囲の量で含む。] [0043] 実施例1:全脂肪大豆粉末を含む組成物の製造方法 全大豆を殻剥きし、フレーク状にし、また回転ドラム式トースター[ダントースター(Dantoaster)]により加熱した。冷却した後、得られた材料10kgを、113kgの水道水に懸濁させ、高剪断ミキサーで破壊させた。この懸濁液のpHを、水酸化ナトリウム含有アルカリ液の添加によって、8に調節した。この懸濁液を80℃に加熱した。この加熱中、該懸濁液を攪拌した。 該懸濁液を、ジェットクッカー(APV)内で、加圧下にある生蒸気の注入により、140℃にて更にインキュベートした。該ジェットクッカーの温度を、保持チューブ内で30秒間140℃にて維持した。引続き、この生成物を真空チャンバー内で蒸発分離した。ここで、該チャンバーにおいて、該懸濁液は80℃に冷却されていた。80℃まで冷却した後、該懸濁液を高圧ピストン式ホモジナイザー(APV;ラニーブルートップ(Rannie Blue Top)型 22.51)内で均質化した。45MPa(450 bar)なる圧力を、該ホモジナイザー内で印加した。この均質化した生成物、即ち分散液は、滑らかで、かつ均一なコンシステンシーを有していた。 この分散液を、パイロットプラントの噴霧乾燥器(APV)内での後処理に掛けた。得られた生成物は、薄い褐色を呈する自由流動性の粉末であった。 この乾燥製品は、以下の組成を有していた:] [0044] ] [0045] 粗脂肪含有率は、指示:71/393/EOEFの第4章における方法Bに従って測定した。 該乾燥製品のジエチルエーテル中での、指示:71/393/EOEFの第4章における方法Aによるソックスレー(Soxhlet)抽出は、5.8質量%の脂肪が抽出できることを明らかにした。このことは、該脂肪分の18.9質量%が、ジエチルエーテル中に抽出できないことを意味しており、これは、該脂肪分の76.5相対質量%が、ジエチルエーテル、即ち非-極性溶媒中に抽出することができないことに対応する。 復元(再水和)テストを、該乾燥製品について行った。室温の水道水を、最終混合物中の乾燥物質15%に相当する量にて、該乾燥製品に添加した。混合後に、該製品は、脂肪の分離を伴うことなしに、安定かつ均質な分散液を形成した。 この分散液について、脂肪抽出テストを行った。該分散液100mLを、100mLの石油エーテルで抽出し、この混合物を遠心分離処理した。 遠心分離処理後、3-相系が観測された。底部には、黄色がかった水相としての沈降物があり、また該水相の上部には、無色の部分的にゲル化した溶媒層が存在した。該溶媒層を集めた。これは、乾燥物質含有率の1%に相当する、0.15gの乾燥物質分の存在を示した。このことは、該分散液中の該脂肪が、実際に、非-極性溶媒である石油エーテルにより抽出されないことを示す。] [0046] 実施例2:醗酵され、脱脂された大豆フレークおよび植物油を含む組成物の製造方法 10kgの醗酵され、脱脂された大豆フレーク[ハムレットプロテイン(Hamlet Protein) A/K, DKからの実験的製品]を、56.6kgの水で水和させ、高剪断ミキサで破壊し、80℃に加熱した。該加熱期間中、この懸濁液を攪拌した。該懸濁液のpH値を、水酸化ナトリウム含有アルカリ液の添加により、8.5に調節した。 この懸濁液を80℃に維持し、これに、予め80℃に加熱した、14%の乾燥物質を含む、178.5kgのホエーパーミエート[アルラフード(Arla Food) A/S, DKから入手できるパーラック(Perlac) 14]を添加した。この混合物のpH値を、水酸化ナトリウム含有アルカリ液の添加により、再度8.5に調節した。 この懸濁液を、更に80℃にて10分間インキュベートした。 該インキュベーション工程の後、該懸濁液を、高圧ピストン式ホモジナイザー(APV;ラニーブルートップ(Rannie Blue Top)型 22.51)内で、25MPa(250bar)にて予備的に均質化した。該予備的均質化工程後、25kgの脂肪混合物(80%のパーム油および20%のココナッツ油)を、攪拌下に添加した。生成した懸濁液を、高圧ピストン式ホモジナイザーで、15MPa(150bar)にて、最終的に均質化した。得られた分散液は、沈降または脂肪の分離を伴うことなしに、安定かつ均一であった。 この分散液は、以下の様な組成を有していた:] [0047] ] 実施例 [0048] 実施例3:全脂肪大豆粉末および酵母を含む組成物の製造方法 100gの全脂肪大豆粉末に、1.8gの醸造用酵母菌を添加し、得られた材料を、0.1gの、DKのノボザイムズ(Novozymes) DK社からのニュートラーゼ(Neutrase)を含む110mLの水道水中に懸濁させ、37℃にて22時間維持した。引続き、水を添加することにより、この懸濁液を、乾燥物質含有率が10質量%となるまで希釈し、該懸濁液のpHを、水酸化ナトリウム含有アルカリ液の添加により、8.5に調節した。 この懸濁液を、更に80℃にて、15分間インキュベートした。 このインキュベーション工程の後、アリコート量の該懸濁液を、80℃にて、IKA-トロン(IKA-tron) T25実験室用ホモジナイザーを用いて、速度3(16,000RPM)にて1分間均質化した。得られた分散液は、安定かつ均一であり、1時間後に、如何なる沈降または脂肪の分離をも示さなかった。]
权利要求:
請求項1 分散状態でタンパク質および脂肪を含む、組成物の製造方法であって、以下に列挙する諸工程を含み:(i) 7.0を越えるpH値を持つ懸濁液を製造する工程、ここで該懸濁液は水、タンパク質含有物質、脂肪、および場合によりアルカリを含み;(ii) 前記工程(i)からの懸濁液を、50〜150℃なる範囲の温度にてインキュベートする工程;(iii) 前記工程(ii)からの懸濁液を均質化して、分散液を生成する工程;および(iv) 必要により、前記工程(iii)からの分散液を後処理に付す工程;前記工程(i)におけるタンパク質含有物質が、植物-由来のタンパク質含有物質、および/または酵母-由来のタンパク質含有物質を含み、前記工程(i)における懸濁液が、その乾燥物質の質量基準で少なくとも5質量%の脂肪を含む、ことを特徴とする、前記組成物の製造方法。 請求項2 前記のタンパク質および脂肪を含む組成物における前記脂肪が、部分的にのみ、非-極性溶媒中に抽出し得るものである、請求項1記載の方法。 請求項3 前記植物-由来のタンパク質含有物質が、全脂肪、分解されたタンパク質含有植物、タンパク質含有植物由来のタンパク質抽出物または単離体である、請求項1または2記載の方法。 請求項4 前記植物-由来のタンパク質含有物質が、醗酵されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。 請求項5 前記タンパク質含有物質が、植物-由来のタンパク質および酵母タンパク質を含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。 請求項6 前記植物-由来のタンパク質含有物質が、大豆、エンドウ豆、マメ科ウチワマメ属植物の豆、大豆とエンドウ豆との混合物、大豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物、エンドウ豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物、または大豆とエンドウ豆とマメ科ウチワマメ属植物の豆との混合物を由来とするものである、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。 請求項7 前記植物-由来のタンパク質含有物質が、アブラナ科植物の様々な菜種を由来とするものである、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。 請求項8 前記植物-由来のタンパク質含有物質が、更にアブラナ科植物の様々な菜種を由来とするタンパク質含有物質をも含む、請求項6記載の方法。 請求項9 前記工程(i)において与えられる脂肪が、前記タンパク質含有物質に固有のものであり、および/または植物または動物脂肪および油から選択されるものであり、これらは、その任意の画分およびその任意の組合せを含む、請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。 請求項10 前記1種またはそれ以上の脂肪、油、脂肪画分、および/または油画分が、シア脂肪、サラノキ脂肪、大豆油、菜種油、ヒマワリ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、亜麻仁油、米糠油、パーム油、ココナッツ油、パーム核油、レシチン、動物脂肪、魚油、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項9記載の方法。 請求項11 前記水相が、ミルク由来の乾燥物質を含む、請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。 請求項12 前記ミルク由来の物質が、1種またはそれ以上のホエー、およびパーミエートからなる群から選択される、請求項11記載の方法。 請求項13 1種またはそれ以上の酵素、および/またはキレート化剤、および/または塩を、前記水相に添加する、請求項1〜12の何れか1項に記載の方法。 請求項14 前記酵素が、1種またはそれ以上のプロテアーゼ、ペプチダーゼ、ガラクトシダーゼ、アミラーゼ、グルコナーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、フィターゼ、リパーゼ、およびホスホリパーゼおよびこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項13記載の方法。 請求項15 前記キレート化剤が、1種またはそれ以上の有機酸、クエン酸、EDTA、およびサリチル酸並びにこれらの組合せからなる群から選択される、請求項13または14記載の方法。 請求項16 前記塩が、1種またはそれ以上のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、酢酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ヨーロピアンユニオンにおける食品添加物に関するE番号コードを持つ塩、並びにこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項13、14または15記載の方法。 請求項17 前記工程(ii)における懸濁液を、メイラード反応生成物を形成することなしに、生物学的に活性な物質を不活化するのに十分な温度にておよび十分な期間に渡り、インキュベートする、請求項1〜16の何れか1項に記載の方法。 請求項18 前記懸濁液を、60〜140℃なる範囲の温度にて、120分未満の期間に渡りインキュベートする、請求項17記載の方法。 請求項19 脂肪または脂肪-含有物質を、前記工程(i)における懸濁液に添加して、その乾燥物質基準で、5〜70質量%なる範囲、または10〜60質量%なる範囲の脂肪含有率とする、請求項1〜18の何れか1項に記載の方法。 請求項20 1種またはそれ以上の食用成分を、前記工程(ii)、前記工程(iii)および/または前記工程(iv)における懸濁液に添加する、請求項1〜19の何れか1項に記載の方法。 請求項21 前記食用成分が、1種またはそれ以上の乳化剤、酸化防止剤、香味料、および着色料、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項20記載の方法。 請求項22 前記分散液のpHを、前記工程(iv)において、3.5〜5.5なる範囲に調節する、請求項1〜21の何れか1項に記載の方法。 請求項23 前記工程(iv)において、前記分散液の含水率を減じる、請求項1〜22の何れか1項に記載の方法。 請求項24 前記含水率を、10質量%以下なる含有率まで減じる、請求項23記載の方法。 請求項25 前記含水率を、噴霧乾燥により減じる、請求項23または24記載の方法。 請求項26 前記含水率を、周囲空気よりも低い酸素含有率を持つ雰囲気中で減じる、請求項1〜25の何れか1項に記載の方法。 請求項27 前記方法を、バッチ法として行う、請求項1〜26の何れか1項に記載の方法。 請求項28 前記方法を、連続法として行う、請求項1〜26の何れか1項に記載の方法。 請求項29 請求項1〜28の何れか1項に記載の方法によって得た生成物であって、該生成物が、その乾燥物質の質量基準で5〜70質量%なる範囲または10〜60質量%なる範囲の脂肪含有率、および該乾燥物質の質量基準で5〜80質量%なる範囲、または15〜75質量%なる範囲のタンパク質含有率を持つことを特徴とする、前記生成物。 請求項30 前記生成物が、液体またはペースト状態にあり、その含水率が10質量%よりも高い、請求項29記載の生成物。 請求項31 前記生成物が、固体状態にあり、および/または前記含水率が10質量%またはそれ以下である、請求項29記載の生成物。 請求項32 前記脂肪分が、部分的にのみ非-極性溶媒により抽出し得るに過ぎない、請求項29〜31の何れか1項に記載の生成物。 請求項33 請求項1〜28の何れか1項に記載の方法によって得ることのできる生成物であって、該生成物が、その乾燥物質の質量基準で5〜70質量%なる範囲または10〜60質量%なる範囲の脂肪含有率、および該乾燥物質の質量基準で5〜80質量%なる範囲、または15〜75質量%なる範囲のタンパク質含有率を持ち、また前記脂肪分が、部分的にのみ非-極性溶媒により抽出し得るに過ぎない、前記生成物。 請求項34 前記脂肪の質量に対して、少なくとも25質量%、または50質量%の脂肪が、非-極性溶媒により抽出することができない、請求項33記載の生成物。 請求項35 請求項29〜34の何れか1項に記載の生成物、または請求項1〜28の何れか1項に記載の方法によって与えられる生成物の、ヒトまたは動物が消費するための、加工食品または飼料製品の製造における使用。 請求項36 請求項29〜34の何れか1項に記載の生成物、または請求項1〜28の何れか1項に記載の方法によって与えられる生成物の、前記脂肪の改善された酸化安定性を持つ、加工食品または飼料製品の製造における使用。 請求項37 請求項29〜34の何れか1項に記載の生成物、または請求項1〜28の何れか1項に記載の方法によって与えられる生成物の、ミルク代用品を製造するための使用。 請求項38 請求項29〜34の何れか1項に記載の生成物、または請求項1〜28の何れか1項に記載の方法によって与えられる生成物の、化粧品を製造するための使用。 請求項39 請求項29〜34の何れか1項に記載の生成物、または請求項1〜28の何れか1項に記載の方法によって与えられる生成物の、医薬品を製造するための使用。 請求項40 1〜99質量%なる範囲の、請求項29〜34の何れか1項に記載の生成物、または1〜99質量%なる範囲の、請求項1〜28の何れか1項に記載の方法によって与えられる生成物を含むことを特徴とする、ヒトまたは動物が消費するための、加工食品または飼料製品。 請求項41 1〜99質量%なる範囲の、請求項29〜34の何れか1項に記載の生成物、または1〜99質量%なる範囲の、請求項1〜28の何れか1項に記載の方法によって与えられる生成物を含むことを特徴とする、化粧品または医薬品。 請求項42 タンパク質組成物であって、該タンパク質組成物が、1〜99質量%なる範囲の、請求項29〜34の何れか1項に記載の生成物、または1〜99質量%なる範囲の、請求項1〜28の何れか1項に記載の方法によって与えられる生成物を含み、該タンパク質組成物が、99〜1質量%なる範囲の、醗酵された大豆および/または酵母タンパク質を含有するタンパク質生成物を含み、該タンパク質組成物が、その乾燥物質の質量基準で25〜80質量%なる範囲のタンパク質含有率、および該乾燥物質の質量基準で30質量%またはそれ以下の脂肪含有率を持つことを特徴とする、前記組成物。 請求項43 (i) 請求項1〜28の何れか1項に記載の方法によって与えられる生成物、または請求項29〜34の何れか1項に記載の生成物を調製する工程;(ii)醗酵された大豆および/または酵母タンパク質を含有するタンパク質生成物を調製する工程;および(iii) 1〜99質量%なる範囲の前記工程(i)の生成物と、99〜1質量%なる範囲の前記工程(ii)のタンパク質生成物とを併合する工程、を含むことを特徴とする、タンパク質組成物の製造方法。 請求項44 前記工程(iii)において得られるタンパク質組成物が、その乾燥物質の質量基準で25〜80質量%なる範囲のタンパク質含有率、および該乾燥物質の質量基準で30質量%またはそれ以下の脂肪含有率を持つ、請求項43記載の方法。 請求項45 請求項43または44に記載した方法によって得られる製品。
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